2015.10.08
今回は、書写山圓教寺の食堂(じきどう)です✩
こちらは平安時代、1174年に創建されたものだそうです。
未完成のまま数百年も放置されたものを、昭和38年に解体修理されたものが現在の形です。
それもその筈、平安時代の建物としてみると、時代にそぐわない違和感を感じました。
ところで、昭和38年に解体修理されたという痕跡がはっきりと見て取れるので、そこを見てみます✩
土台は、束石で床下部分がよく見えるので、そこに注目しました!
この土台に使用されている木材は、ほぞ穴があり、もともとは別の場所で使われていた木材を転用したものと思われます。
そして、下の写真よく見ると「中 巴 304」と書いてあります。
算用数字が建築の解体修理の際に記されていることから、比較的新しい時期に再築されたことが分かります。
土台の柱と床下を支える大引(おおびき)のつなぎ部分に、「楔( くさび )」があります。
この楔は、部材を止める役割と、高さの微調整をする役目も果たします。
その大引に直行する根太(ねだ)という木材に、少し色の違うところがあるのがわかりますか?
これは、床板と根太を止める金物です。こういった形で金物が使用されるのも、比較的新しい手法です。
大講堂は基壇の上に建てられていて床下の構造をハッキリ見ることはできませんでしたが、
食堂は、僧侶の寝食の場とあって、高床式のメンテナンスのしやすい形が取られているのかもしれません。
床下はなかなか見ることが難しいので、こんなじっくり見られて嬉しいです。
書写山園教寺の関連記事は↓