2015.10.19
お寺の改修工事で漆喰壁の補修を行いました。
塗装の手際の良さと、塗装の美しさは、流石だなぁと見ていて飽きません。
日本の伝統的な塗装の職人を左官さんと呼びます。
その事をご存知な方は多いと思いますが、
右官さんは何かご存知ですか?
右官とは、現在でいうところの大工の事です。
江戸時代以前は、木工事に携わる職人の事を右官と呼んでいました。
江戸時代に入ると、大工、その統率者を棟梁と言う呼び方に変わりました。
もともと左官は土に携わる職人、右官とは木や水に携わる職人だっようです。
ところで、左官、右官、右衛門、左衛門、右大臣、左大臣など、右と左で表す職が多いですよね。
この右と左、京の都に関係しているんです。
京都御所を守る役職は大きく分けて3つ。近衛府(このえふ)、兵衛府(ひょうえふ)、衛門府(えもんふ)。
この三府は、それぞれ右と左に分かれ全部で六衛府になり、平安時代のエリートです。
御所の東側が左、西側を右と呼びました。これは、天皇が南面した際の左右を指します。
エリート集団である事を誇示する為に、名前に役職名を付けるようになったとも、それにあやかりその他の役職に右と左を付けるようになったとも考えられます。
左官については諸説あり、主典から訛って派生したとも言われていますが、左官・右官と対になって区別された事は確かです。
現在では、右官と言う呼び方は無くなりましたが、右と左、探してみたらもっと色々あるかもしれませんね⭐️