2015.09.30
今日は、鬼瓦と瓦の文様について書きたいと思います✩
鬼瓦は、火伏せや魔除けといったおまじないや、装飾の意味のほか、小口からの雨水の侵入を防ぐ機能を持っています。
鬼瓦といえば、鬼の顔を焼いた瓦がよく知られているところですが、実は鬼瓦の発祥時は鬼の文様ではありませんでした。
飛鳥時代から瓦葺は存在し、特権階級の屋敷に使用されていたようです。最古の鬼瓦は、「蓮華文(れんげもん)」と言われる8枚の蓮の葉を円状に並べたものでした。
現在の鬼の顔の周りも、蓮華文にあった連珠文(れんじゅもん)という丸い文様が名残として残っています。
鬼瓦が現在の鬼の顔として登場するのは、奈良時代になってから。更に立体的な形になったのは室町時代以降です。
鬼瓦に限った事ではありませんが、使用されている瓦の種類やその葺き方、構造を見ると創建年代や修復年代を知ることができます。
鬼瓦は、その置かれる場所によって呼び名が変わります。
名古屋城で有名な鯱(しゃちほこ)のように、大棟の両端に付いているものは「大棟鬼(おおむねおに)
上の写真の一番手前に見える鬼は、屋根の隅に付いているので「隅鬼(すみおに)」
その上に位置する鬼は「二の鬼」
という具合です。
鬼瓦以外にも文様が施されている部分があります。
上の写真で見ると、軒の部分に少し出っ張ってる丸い瓦がありますね。
写真でははっきりと見えなくて残念ですが、こちらにも文様があります。
写真の文様は「三つ巴(みつどもえ)」という文様で、水が渦を巻いている最もメジャーな文様です。
日本の木造建築の最大の弱点は「火災」
そのため、瓦には防火を願って水の意味を表す文様が多く使用されています。
瓦にも、人々の想いが込められていると思うと感慨深いものがありますね!