2023.04.28
先日の京都一日目。
最初に訪れたのは、東山の知恩院。
浄土宗の総本山で、正式名称は『華頂山知恩教院大谷寺』です。
国宝にしていされている「三門」「御影堂」の他、重要文化財や指定文化財の建物が複数あります。
知恩院・三門
先ず目に入るのが、国宝の「三門」
威厳のある佇まいに圧倒されます。
三門については、後日別記事でご紹介したいと思います。
今日の記事では、
三門南横の女人坂に沿って右手にある「友禅苑」をご紹介します。
友禅苑は、京友禅の始祖である宮崎友禅生誕300年の昭和29年にゆかりの地であるこの場所が改修造園されました。
庭園内が上下二段の構成になっていて、上部は東山から引き入れた清流「琴流水」を配した池泉(ちせん)式庭園、下部は枯山水の庭園となっています。
門をくぐって先ず目に飛び込むのが、観音菩薩像。
彫刻家、高村光雲の作です。
池泉庭園を進んでいくと、茶室に続く露地の入り口に詫びた雰囲気の門があります。
門の横には、禹門と立て看板があります。
禹門とは古代中国の伝説上の王「禹(う)」が築いた水門に因み、立身出世の関門を意味する言葉です。
禹王は治水に大きな功績をあげ国を治めたとされ、日本でも治水に優れた功績をあげた方を「禹王」と呼び称えてきた歴史があります。
渓流を配す庭園内の門、茶室への結界としての門、治水と関門其々の意味が掛けてあるような何とも秀逸な門名ですね。
渓流に沿った露地の先には茶室・華麓庵(かろくあん)
こちらの茶室は、昭和43年に庭園の大改修に合わせて移築された裏千家ゆかりの庵です。
左官塗りの雨戸と捨て柱まで伸ばした濡れ縁が特徴的でした。
華麓庵から石段を少し上るともう一つの茶室・白寿庵に至ります。
もとは華頂会館の付属茶席であった席を知恩院第86世中村康隆猊下の白寿を記念して移築されたとのこと。
新緑に囲まれ、苔むした庭園はとても美しかったです。
白寿庵から下って左手に宮崎友禅の像があります。
江戸中期の京絵師で、着物の友禅模様の基となったひな型を描いた方。
更に左手に下ると枯山水の庭園・鹿野苑があります。
釈尊が初めて説法した場所から鹿野苑と名付けられたそうで、南国(インド)の景色を枯山水に表現しています。
清々とした雰囲気の素晴らしい庭園でした。
ちょうどツツジが満開で新緑とツツジのコントラストがとても美しかったです。